2008/07/16 [水]
sqlite 3.6.0 が公開されました。ダウンロードは、いつものページからできます。今回のバージョンでは、多数の潜在的な非互換を持つ変更がなされました。具体的には、次のとおりです。
- 幅広い組み込みシステムに対応するため仮想ファイルシステムインタフェースへの変更。追加情報は、35to36.html を参照。***潜在的な非互換変更***。
- コンパイル時のオプションを制御するため使用される全ての C プリプロセッサマクロは、今回から "SQLITE_" が前置されるようになりました。自身の固有の Makefile を使用している SQLite や 自家用に変更したコンパイルオプションを持った SQLite をコンパイルするアプリケーションへの変更に、おそらくこれが必要になるでしょう。この結果から、これを ***潜在的な非互換変更*** とします。
- SQLITE_MUTEX_APPDEF コンパイル時オプションはもはやサポートされません。代わりの mutex 実装が、SQLITE_CONFIG_MUTEX 動詞で sqlite3_config() インターフェースを使用することで、実行時に追加可能です。***潜在的な非互換変更***。
- 右側の式に NULL を含んでいる IN と NOT IN 操作処理が、SQL 標準と他の SQL データベースエンジンのそれに追従するようになりました。これは、バク修正ですが、古いバグ持ちの挙動に依存している遺跡的アプリケーションを破壊する潜在能力を持っているので、これを ***潜在的な非互換変更*** とします。
- 複合副問い合わせに対して生成された結果の桁名が、元の表の桁のその名前だけを表示するように、その表名を省くように単純化されました。これは、SQLite 操作を、他の SQL データベースエンジンにより近づけます。
- SQLite ライブラリ全体の実行時設定を行うための sqlite3_config() インターフェースを追加
- SQLite ライブラリ全体とそのサブシステムに関しての実行時状況情報を問い合わせるために使用される sqlite3_status() インターフェースを追加。
- sqlite3_initialize() と sqlite3_shutdown() インターフェースが追加
- SQLITE_OPEN_NOMUTEX オプションが sqlite3_open_v2() に追加。
- PRAGMA page_count 命令を追加
- sqlite3_next_stmt() インタフェースを追加
- 新しい R*木仮想表を追加
by seclan