郵政公社時代、1984 年から郵貯では郵便貯金ジョイントカード、または郵便貯金共用カードと言うものを発行していました。これは郵貯のキャッシュカードに各社のクレジットカード機能を付加し、一枚のカードにして提供することで、郵貯キャッシュカードを普及させることを目的にしていました。そのカードの種類は最盛期で 150 種類くらいあったようです。
しかし、郵政民営化以降、郵便貯金共用カードは廃止の方向に向かうようです。というのも、クレジットカードを使用するとカード発行者に手数料収入があるのですが、自前で発行すればその利益を自分のものにすることができます。もし郵貯が自前でクレジットカードを発行すればその手数料収入を得ることができます。そのようなことから民営化後は独自のカードを発行する方針になりました。
この記事によるとカード処理のバックエンド業務委託先選定として、JCB、三井住友カード、クレディセゾン、UFJニコス が候補としてあがっていたようですが、結局、JCB と 三井住友カードの両者と提携して独自のクレジットカードを発行するようにしたようです。ちなみに、現在の社長、つまり初代日本郵政株式会社の代表取締役社長は、西川善文 (元三井住友銀行頭取) というお方です。
この流れを受けて、共用カードを廃止するところがいくつも出てきました。例えば、「ろうきん郵貯ジョイントカード」では、早くも 2006年09月末日を持って廃止となってとおり、大手のセゾンでも、郵貯カード《セゾン》、郵貯カード《セゾン》ゴールド、郵貯チェックカード《セゾン》が新規申し込みを取りやめています。ちなみに、既存の利用者はセゾンNEXTカードに切り替えになります (正式に廃止の案内が来ました)。また ANA 発行の「ANAマイレージクラブ郵貯カード」も、新規入会は終了です。NICOS も新規入会は終了しているうえ、自社のホームページからその痕跡を一切消去するという徹底ぶりです。
このようなことから、今後は新規の共用カードが作られることはなくなると思われます。