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郵貯チェックカード《セゾン》が 2007年末で取り扱い終了

Last update: 2007/12/30

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郵貯チェックカード《セゾン》とは、郵貯とのジョイントカードの一つであり、他のジョイントカードがキャッシュカードとクレジットカードの機能を併せ持っていたのと比べると異なった性質を持っていました。それは、このカードがクレジットカードの機能ではなく、VISA デビット (チェック) の機能を持っていたことです。

通常、クレジットカードは、付け払いと同じで、カード会社が使用者の支払いを代行し、後からその使用料金を使用者に請求するというシステムです。毎月付け払いできる金額は利用者の属性によってある範囲内に決められていることが多いです。利用された店では、クレジットカードが利用されると、クレジットカード使用料として、カード会社に幾ばくかの使用料 (たいていは使用料金の数パーセント) を払わなければなりません。カード会社はこれで利益をあげるわけです。システムがこのようになっているので、利幅の薄い商品を販売している激安店などでは、クレジットカードが使えないことが多いことが理解できると思います。

このような後払い・付け払いのクレジットカードに対し、チェックカードはすぐその場で決済されます。つまり、すぐに口座から現金が引き落とされます。クレジットカードとは異なり、借金ではないのです。だから、クレジットカードが持てないような人、未成年者や、不安定な給与所得者の人などもカードの恩恵を受けることができるわけです。またクレジットカードの場合、たいていの人は毎月の利用金額は枠が設定されその上限まででしか使えませんが、チェックカードの場合、利用したい金額を郵便貯金の「保留」という作業をすることで、その枠内で自由に使うことができます。利用された料金はこの「保留」された金額から引き落とされます。

ただし、この「保留」という作業、これが面倒と言う欠点がありました。郵貯の営業時間内に窓口でいちいち手続きをしないといけなかったのです。窓口の係りの人も、保留するための手続きコードを知らないことが多く、時間がかかることがありました。そのため、「保留」するための番号 176 が有名になりました。

さて、クレジットカードが使える場所でチェックカードが同じように使えるのですが、すべての店がオンラインで処理できるわけではありません。クレジットカードは原則後払いということから、店側でもすぐに請求をカード会社に上げずに、月末など特定の日に請求するといったことを行っているところもありました。結果として、すぐに請求されない≒引き落とされないと言う事態が起こりました。つまり、クレジットカードと同様の付け払い・後払いになってしまうのです。ここに悪い人が目をつけ、カードを悪用したことから、一時カードの発行が見合わされると言う事態が起こりました。結局その後、それまではなかったクレジットカードと同様の与信調査がなされることとなり、クレジットカードが持てないような人に対する発行ができなくなりました。利点は、クレジットカードのような付け払いが嫌いな人が利用できる、枠を自分で設定できる、と言う点だけになってしまいました。ちなみに、このカードでは利用した金額の 0.2% が年一回キャッシュバックされるという利点もありました。

そんなことで、運用されてきたのですが、10月の記事でもお伝えしたように、郵政民営化に伴い、セゾンとの共用カードを廃止することになりました。クレジットカードとの共用カードを持っている人には、単独のクレジットカードが送られそれを利用することになったのですが、チェックカードはシステム自体が、郵貯の「保留」というシステムと堅く結びついているため、代わりがありません。そのようなことからチェックカードは廃止することになったと思われます。しかしながら、通常はカードの有効期限までは使えるようにするものですが、今年いっぱい、つまり 2007/12/31 をもって強制的に使用停止になることになりました。

このようなユニークなカードだったのですが、2007 年末を持ってその歴史に幕を落とすことになりました。


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